犬のご挨拶

犬同士のご挨拶ってどんなものだと思いますか?

「鼻と鼻を付きあわせて、匂いを嗅ぎ合う姿!!」という方、多いのではないでしょうか?
犬を知っている私たちからすると、この行為・・・ 💡
とても怖くて見ていられません。

初対面の犬同士が、この行動の直後に「噛みつく行為」に出るのは良くある話です。
こういう時、飼い主さんは急に相手が噛みついてきた!!等と話される事も少なくありません。

犬は基本的には争いを避けようとする動物ですが、過去の経験上苦手な犬を吠える事で「追い払う」事が出来てしまった場合、これを学習して同じような場面で「吠えて追い払う」事を繰り返してしまう事も少なくありません。

犬が争いを避ける為に出すサインという物があります。
カーミングシグナルと言って、この事を人間側が知っていないと見落としてしまうような何気ない仕草が多くあります。

例えば・・・、
目線をそらす
目を細める
顔をそらす
体の向きを変える
地面のニオイを嗅ぐ
カーブを描きながらゆっくり動く
動かない・・・など。

人間側からすると、一見そっけない態度に見えてしまうこともおおくあるようです。
「せっかく相手の子が近寄ってきてくれたのに、この子ったら体の向きを変えて知らん顔するの!」

この場合、相手の犬は直進して早いスピードで近寄ってきていたりすることが多いです。この、「直進して早いスピードで近寄る」は犬の世界では「ケンカを売っている」と理解されてしまうのです。
もちろん、相手の犬の事をとても良く分かっている!とても仲が良い!という場合はこれにあてはまりません。

人間だって初対面の人に真っ直ぐ駆け寄って来られて、急にハグでもされたらどんな感じでしょうか?
大抵の人がビックリしてその人を避けようとするのではないでしょうか?

それなのに、犬の飼い主さんは犬同士は仲良くご挨拶が出来ると思っています・・・。

初対面の相手の犬がどんな子だか良く分からない場合や、犬同士の相性も良く分からない時には飼い主さん主導でご挨拶させることが重要です。

ではどんな風にしたら良いのでしょうか?
先ずは自分の犬が自分より前に出てリードを引っ張っている場合。
この時犬は興奮状態にあります。恐らく頭の位置も高く、体は前傾姿勢、尻尾も高く早めのスピードで振っているかもしれません。
この状態は決して友好的な姿勢ではありません。
相手の犬がケンカを買う子であればそのまま飼い主が気づかずに近寄せるとかなりの確率でケンカが始まるでしょう。
そうならない為にも、先ずは犬が自分よりも前に出ている時には、後ろに下げる事が重要です。

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この写真の様に、前にいる犬はその先の対象物に興味があり(興味=楽しい、嬉しいとは限らない)リードを持っている飼い主の声が届いていません。
また後ろの足元にいる犬はリードも緩んでおり、飼い主の声が届く状態です。

また、ご自身の犬がどの状態なのか?把握出来たら今度は相手の犬の事も良く観察しましょう。
相手の犬が飼い主さんの後ろに隠れている場合にはとても怖がっている場合が多いです。その場合には軽く無視してあげる事も必要です。
自分の犬がどんなに行きたそうにしていても、近づけるべきではありません。

そこまで観察してご挨拶が出来そうなら飼い主さんが主導で次のようなご挨拶をさせる事が良いでしょう。

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この時も、注意したい事があります。
ニオイを嗅いでいる方の犬がしつこすぎる場合、どんどんニオイを嗅ぐために相手のお尻を刺激することがあります。
犬は背後からの刺激にとても敏感に反応します。
初対面の犬が怖がっていたり、ビクビクしていたら自分の犬を引いてあげて下さい。

このように、人間側がきちんと「犬」を理解して接してあげる事ができれば無用な争いを避ける事が出来ます。

ご自身の愛犬はどんなご挨拶をしているでしょうか?
もし、間違った接し方をしていたら飼い主さんがしっかり教えてあげて下さいね。

「犬のご挨拶」への2件のフィードバック

  1. 犬同士の正しいご挨拶の仕方…
    私は1年ぐらい前まで知りませんでした。
    ”怖がって吠えている”と、いうこともわからず、
    逆に”気が強い性格”なんて思っていたりして…

    犬と人間は異なる動物でありながら
    ”人間に置き換えて考える”と理解しやすいこと
    たくさんありますね。

    犬を良くも悪くもしてしまうのは
    結局は飼い主なんだな~と
    読ませていただきながら思いました。
    ”飼い主主導”…大切ですね(^^♪

    1. かなぶんさん、

      犬の考え方ってシンプルなんですけど、飼い主さんには理解しづらいみたいです(^_^;)
      それに、挨拶の仕方一つで友好的な関係が作れたりします。
      ご自身の愛犬の様子が分かったら相手のワンちゃんの様子まで配慮できると良いですね。

      「犬との生活」についてたまにこんな記事を書いて行きますので、楽しみにしてくださいね!!

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