ここの所、続いている高齢犬ちゃんのトリミング 💡
以前もブログに書いたかと思いますが、お店では10歳以上の新規のお客様は受け入れしていません。
理由は、今までの経緯が分からないから・・・。(病歴や、トリミング時のワンちゃんの癖など・・・)
大抵の飼い主様は「うちの子元気だから~」って仰いますが、人間でもそうかと思いますが、若い時ほど状況の変化に対応出来なくなっています・・・。
視力や、脚力の衰え、心臓などの疾患・・・、という身体的な問題は飼い主さんが考えているより進んでいるケースがあります。
命の保証が出来ないので、お断りさせて頂いております。
ですが、長年お店をご利用頂いているワンちゃんは、飼い主さんが望むのであれば、何歳まででも対応させて頂いております。
ただ、ここで飼い主様にお考え頂かないといけない事があります。
私はトリマーであって獣医師ではありません。
トリミングはストレスもかかりますし、体力も使います。
トリミング中、もしくは直後に具合の悪くなることが無い!!とは言えないという事。
同時に、発作や意識が無くなったりした時の対応がすぐには出来ないという事。
ここら辺をお話しさせて頂いて、飼い主さんの
「それでもこの子をキレイにしてあげたい!!」の気持ちが汲みとれたら、精一杯の事はさせて頂きます(^_^)v
前置きが長くなりましたが、ここ最近続いている高齢犬ちゃんのトリミング時に飼い主様とのお話をちょっと・・・。
ケース1
高齢になる飼い主様と高齢のポメラニアンちゃん
飼い主様は大変ワンちゃんを可愛がっておられます。今年も何度かご連絡頂いた時、上記のような説明をさせて頂きました。
その結果、いつもトリミングは見送りになっていました。
そして、前回のトリミングから1年が経って先日ご連絡頂きました。
私としては高齢のワンちゃんを1年間見ていない(触っていない)とその子の状態がどうなのか?の汲み取りが出来ません。
正直お受けするのが怖いです・・・(>_<)
尚且つ、再三お話ししてトリミングを見送られている・・・。
今回再度お話しさせて頂くとやはり、「それなら爪切りだけでも」とのお返事。
それでは、送迎には伺えないのでご来店頂けないか?お話ししてご近所にお住いのご家族とご来店頂きました。
やはり、かなり老化が進んでおり白内障の影響からか?顔の近い所で私の手が動くと・・・目をしばしばさせて首をすくめます(これ視力が衰えた子にありがちな行動です)
そして、全身いらない毛が抜けおちず、そのままフェルト状に固まってしまっています(>_<)
この状態でトリミングすると・・・
シャンプーまでのブラッシング(大まかにほぐさないといくらなんでも洗えません)に時間がかかる事。
例え洗えたとしてもドライヤーの時間がかかる事(しかもこの時は体が濡れています・・・)
そして、飼い主様もトリミングに躊躇があること・・・。
今回のケースは、一緒に来られたご家族様に同じお話をさせて頂きその上で尚且つ洗うのであれば洗います!!とお伝え致しました。
結果は、ブラッシングのみになりました。
飼い主様としては夏の暑い時期、今回の様な暮れの時期にワンちゃんをキレイにしてあげたい!!とお考えいただくのですが(現にお電話頂いた時期がまさにそれです)高齢犬の場合、出来るだけリスクの少ない時期に(湿度、暑さ、寒さ、気圧の変化等の天候条件)なるべく負担の少ない状態でトリミング出来る事が望ましいと思います。
それでも、急変が絶対に無い!!とは言い切れませんが・・・。
また、トリミング時間の短縮に家でのブラッシングも必要だと思うのですが、コレ!!年配の飼い主さんじゃなくても出来ない方たくさんいらっしゃる・・・。
しかもワンちゃんも高齢になって我慢が出来なくなります。
若い時には大丈夫だった毛玉の引っかかりが少しの痛みで反応してしまうことも多くなりますし、動き回らないように抑えるのだけれど、抑える力が強すぎると「嫌だ~」と暴れるようになります・・・(>_<)
力加減が大変重要なんです。
ケース2
日中お勤めされている飼い主様と高齢コーギーちゃん
飼い主様は日中お仕事で出られると夜遅くまで帰宅出来ません。
高齢のコーギーちゃんはリビングのほとんどを自由にしています。
帰宅が遅いので、夕方にはお世話の方を頼んでいます。
高齢になって皮膚炎が出始め、投薬しても繰り返し出てしまう皮膚炎に間隔を短くして対応してきましたが、最近老化が目立つようになりました。
足腰も弱くなり、飼い主様が目やにを取ろうとすると噛みつくそうです。(私には噛みつく事はありません。ここも多分力加減と思われます)
皮膚炎の事を考えればシャンプーをしたい・・・。でも実際にトリミングで我慢出来ている時間がだいぶ短くなっているのも事実・・・。
そして、お手入しようとする飼い主様に噛みつくようになっている・・・。
リビングの至る所にトイレをしてしまい、その上で座り込んでしまっていたこともあるそうです・・・。
トリミング時間の短縮になるように短くカットする事をご提案したのですが、風邪をひかないかな?とご心配な様子。
それなら、暖かくなるまで伸ばしましょう。と提案しました。
お家の中にいる子ですし、寒さで具合が悪くなりそうな感じでは無いのですが、飼い主さんがそう思うのであれば止めておくことが最優先だと思います。
トリミングは3か月先まで伸ばしましたが、その時にワンちゃんがどんな状態なのか?でまた対応は変わるのかと思います。
キレイにしてあげたい。寒いのは心配。でもトリミングの我慢が出来なくなっているワンちゃんがいる・・・。
飼い主様のワンちゃんを思う気持ちは良く分かります。
ですが、理想と現実にズレが生じている事も事実なんです。
シャンプーが出来たとしても、その後時間切れ(ワンちゃんが嫌がる・・・)で濡れたまま終わりには出来ないんです。
私は出来る限り、ワンちゃんの現状、飼い主様生活スタイル、飼い主様とワンちゃんの関係性、お世話できる時間の長さ、生活環境、全てを考えていつもご提案しています。
ですが、最後、決めるのは飼い主様です。
生活していれば、どうしたってお世話の出来ない時間が多く出てくる事があります。
飼い主様が良かれと思ってやっている事が、結果、毎日の粗相の始末などで時間が取られ、挙句ワンちゃんに対してマイナスな感情を持つようになる事だけは避けて欲しいと思います。
お手入に関しては、かけられる時間が決まっているなら、なるべく手間がかからず素早く処理できるような方法を考える方が飼い主様にとっても、ワンちゃんにとっても良いのでは?と思うのです。
とっても長くて文字だけのブログになってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございます<m(__)m>高齢のワンちゃんを扱う時にはこんな事考えながらやっているんだ~と知って頂けたら嬉しく思います。