真面目なお話し・・・

~犬暮らしの案内人~加藤初枝です

威嚇

私がその飼い主様とワンちゃんと本格的に関わることになったのは・・・
今年、2020年の初めでした

その前にも一度お店にいらしてくれましたがその時はご縁がつながらず・・・
どうしたかな?と思っていたのでした

 

飼い主様は
愛犬との暮らしを豊かで幸せなものにするべく、パピーのころからしつけ教室に通われていました

ですが・・・
教えてもらう事が、自分の愛犬には通用しないことが分かってきます
他の子がおやつをもらって出来ることが・・・その子には出来なかった・・・
おやつに興味を持たない愛犬をその教室でしつけを教えてもらう事は大変だったろうと推測できます

 

皆さんもおやつを使って犬に何かを教える事・・・
少なくとも経験したことがあると思います

犬の思考回路
YES=良いこと・楽しいこと・好きなこと・・・
NO=悪いこと・怖いこと・嫌いなこと・・・

この二つで考え行動しています

おやつを使ったしつけが陽性訓練といわれます
陽性訓練は犬の思考回路の【YES】を使って教えるのです
犬に教えるときに、
間違った行動をさせずに、人間のしてほしい行動【誘導し】褒めて(おやつ)終わらせ・・・それを強化させる
という感じです

間違った行動をさせないようにするので、結果的に【NO】を教えなくて済むわけです

分かりやすく例に例えると・・・

ボールを持ってきたらおやつをあげる

これ自体は簡単に出来そうですよね?
でも皆さんも経験があると思いますが・・・
何度かするうちに、犬が飽きてしまい勝手にボール遊びのルールを変えてしまう事・・・
◎飽きたらやめて違うものに興味を示す
◎ボールは取りに行くけれど持ってこないで走り回る・・・

最初に決めたルールが

持ってきたら=おやつ

だったはず・・・
それを犬が勝手にルールを変えてしまうことで終了している方が多いんじゃないかと思うんです

陽性訓練は、勝手にルールをかえてしまわないように犬を誘導して褒めて教えるというものなんです

難しい!!

って思われた方・・・
いますよね~(笑)

正直・・・難しいです
ご褒美は本来おやつじゃなくてもOKなんですが・・・
【なんちゃって陽性訓練】の教室ではおやつが主流なようです
そして、人間が教えたいことが出来ない状況になると・・・
【その状況自体を排除、作らない】とするそうです←これが最大の間違い

 

この飼い主様は
【なんちゃって陽性訓練】の教室に通っていらっしゃったのです・・・
おやつの反応が無いのに、おやつを使い
いけない事や犬が嫌がるシチュエーションを作らないで、叱る、NOを教えることをしない・・・

いつしか・・・
その子は家族の中で王様になってしまいました((+_+))

 

嫌なことがあれば唸り、噛みつきました
私が関わる前、若くて歴の浅いトリマーは扱えなかったそうです・・・

飼い主様はそこを心配され
なかなか犬のとこやさんに来る決心がつかなかったのかもしれません

 

それでも今年の初めに関わらせて頂くことになり
飼い主様のお話を聞き、実際にワンちゃんをやらせてもらうと
飼い主様が案じていらっしゃるよりも

今までの経験や教え方で気難しいワンコになっただけで、ごく普通のわんこなのだと私自身は感じました

同時に・・・
この子にきちんと【NO・叱り】を教えてあげた方がワンコ自身が楽になれる!!と思いました

 

ただ・・・
飼い主様は今まで、NOや叱りはしないように教えられてきていますから頭を切り替えるのには少し時間がかかったのかもしれません

 

陽性訓練と対照的な強制訓練という訓練方法があります
一昔前、警察犬や盲導犬の訓練に使っていたとされる訓練方法です

一昔前は体罰や、NOを多用した訓練をしていたと聞きます
先ほどのなんちゃって陽性訓練と真逆ですね

いけない事をしたら罰で制する

みたいな訓練です・・・(T_T)
【なんちゃって強制訓練】と言いましょうか(笑)

以前、NHKのプロフェッショナルという番組でトレーナーの中村さんが紹介されました
ご覧になった方も多いのでは?と思います
放送後、強制訓練で罰を使った訓練として認識されたようで、数年たった今でもバッシングはあるようです

実は私・・・
中村トレーナーのしつけ教室を見学に行ったことがあります
印象的だったのが・・・

広場の中心で伏せを知らない大型犬(確か・・・ボルゾイだった?アフガンかも・・・?)に「伏せて待つ」を教えるというもの

中村トレーナーは
嫌がる犬を広場の真ん中に誘導し、伏せと言いながら素早く伏せの体勢にしました
犬はこの時、中村トレーナーの気迫、早さ、ある程度の力、体制を作らせるテクニックの全てに感服したのだと思います

一度伏せの体勢に入った犬は・・・
動くことなく
伏せの状態のまま

一方、中村トレーナーは
回りを常に動きながら
「そういい子だ」
「マテ」
を繰り返し犬に伝えていました

 

決して罰におびえさせて
訓練をしている感じはありませんでした
むしろ褒めている時間の方がはるかに長かったんです

 

陽性訓練も、NOが必要
強制訓練も、YESが必要

 

私が関わらせて頂いたその飼い主様とワンコは
一歩を踏み出してくれたのです・・・

お店でお願いしているトレーナーのくまこさんにトレーニングを依頼してくれました

飼い主様の頑張りで
今では噛まれる気がしない・・・
今まではしなかったヘソ天で寝るようになった・・・

(≧▽≦)

こんな嬉しい報告は無いですね
もちろん、ワンコが別の犬になったわけではないから今までの悪癖も直ってしまったわけじゃない

でも、とにかく間違って王様になってしまったワンコが家来の位置まで下がってくれたことは間違いなさそうです♪

 

最後に・・・
私はトレーナーではありません
でも、犬のトレーニングの良し悪しは分かります
犬のプロとして専門外ですが、トレーニング方法が明らかに間違っているなら・・・
飼い主様が困っているなら・・・

きちんとプロとしてお伝えし、今後の生活がより良いものになるようにアドバイスさせて頂くこともお仕事の一環だと感じています

 

今日のブログは写真も少ないし・・・
文章ばかりで読みづらかったかもしれませんが・・・

最後まで読んでくださった方々・・・
ありがとうございます<m(__)m>

万が一・・・
このブログを読んで
詳細が聞きたいという方はお問合せフォームからお気軽にお問合せ下さい

噛みつく事が理由でトリミングできないと断られているケースでもお力になれることがあるかもしれません
そして飼い主様が本気で愛犬と関わり、直していきたい方には出来る限りのサポートをさせて頂きたいと思います